【支援学校卒業後】の進路に悩んでる方!【障害者職業訓練】を考えて!

支援学校卒業後の進路にお悩みの方に【障害者職業訓練校】をおススメします。なぜ【障害者職業訓練校】が良いのか?くわしくご紹介します!
【障害者職業訓練校】のことを進路指導の先生から教えていただいたとしても、知的障害者の子どもに【障害者職業訓練校】に通うことができるのか?と不安に思われているかもしれません。
逆に、進路指導の先生からは無理です…と言われた方もいらっしゃるかもしれませんが、あくまでそれは進路指導の先生の意見です。その言葉であきらめないでください!
知的障害者である息子にはむつかしいと思っていた【障害者職業訓練校】ですが、1年間通うことができました!専門的な知識だけではなく、他の訓練生や職員さんとの関わりなど、たくさんの経験ができました。
うちの息子が通ったのは、支援学校卒業してから10年ほど経ってからで、支援学校卒業のころには、【障害者職業訓練校】の情報はあまりなく、もちろん現在のようにネットで簡単に調べることもできませんでした。
なので、参考にしていただけるよう息子の経験をもとに、なぜ【障害者職業訓練校】がいいのか…順番にご紹介しましょう!
【障害者職業訓練校】と『就労移行支援・就労継続支援A/B型』のちがい
【障害者職業訓練校】も『就労移行支援』『就労継続支援A型』『就労移行支援B型』も障害者のための【訓練】ということでは同じなのに、【訓練】の何がちがうの…と思いませんか?
仕組みのちがいはこうです!
『就労移行支援』『就労継続支援A型事業所』『就労継続支援B型事業所』の3つは、<障害福祉サービス>という国のサービスです。
【障害者職業訓練】は、障害のある方を対象にした〈ハロートレーニング〉という、国がやっている障害者訓練です。(国が民間企業などに委託して実施しているところもあります)
【障害者職業訓練校】は専門職の訓練を受けることができる
【障害者職業訓練校】は専門職として、その専門職に関する訓練をいちから受けるので、細かいところまで訓練を受けられることが一番おススメできるところです。
例えば…電子機器組み立て・オフィスワーク・パソコン・CAD・実務作業など、職業訓練校は興味のあるものを色々えらぶことができます。
都道府県によってやっている科目は色々ですし、身体障害者・発達障害者・精神障害者・知的障害者によってもちがいます。
厚生労働省のホームページで〈ハロートレーニング〉で検索すると、都道府県に分かれて【障害者職業訓練校】を調べることができるので、ぜひ検索してみてください!
残念なことに、知的障害者にむけての科目は少ないです。
【障害者職業訓練校】はカリキュラムが決められているので、期間に応じて段階を踏みながら訓練をうけることができます。
【障害者職業訓練】について、さがしか方や申し込み方法など、こちらでくわしくご紹介しています!
【障害者職業訓練校】は専門職以外の知識も増える
【障害者職業訓練校】は先ほどもお伝えしたとおり専門職をいちから学ぶことができますが、それ以外に普段の生活では知ることができないことを学ぶことができます。
それは・・・
普段の生活の中で飛び交っている『言葉』は聞き慣れているし、言い慣れているので、何か知らないことがある…なんてことに気がつきません。それは、日々の暮らしがいつもどおりだからです。
でも、来客があったり生活の中で何か変化があれば、聞き慣れない『言葉』がでてきます。
いちがいには言えませんが、知的障がいの場合は新しい『言葉』に対しては説明が必要な場合があり、その積み重ねで知識が増えていきます。
ちなみに息子の場合ですが、それ知らなかったの?と言うようなことが【職業訓練校】に通い出して発見したことがいくつかありました。
普段の生活の中で『何を知らなかったのか』がわかり、専門職に対しての「知らなかったこと」ではありません。
専門職について「知らなかったこと」は職業訓練校に通うことで勉強し少しずつ知識を増やしていきます。
【障害者職業訓練校】に通うことで、生活の中で知らなかったことも発見しながら、色々な知識が増えていきます。
『知らないこと』というのは、その状況にならないとわからないものです。
【障害者職業訓練校】の良いところは『専門職の知識が増える』ことだけではなく、日々の生活に必要な『知らなかったこと』がわかることです。
【障害者職業訓練校】は訓練校としての組織で成り立っている
『就労移行支援事業所』『就労継続支援A型事業所』『就労継続支援B型事業所』は組織としてではなく、それぞれの事業所の責任者(個人的)のやり方で成り立っているところが多いと感じました。
事業所によっては、いくつもの事業所を経営している大きな事業所もありましたが、それでも責任者の個人的な思いのやり方をひしひしと感じた事業所もありました。
これは、良い時もあればそうでないときもあります。。。
ですが・・・
【障害者職業訓練校】は民間などが委託されているとはいえ、国がやっているもので【訓練校】という「校」がついているのです。
だから、個人的な思い…という単位ではなく、組織としての仕組みで成り立っていると感じました。
職業訓練校という組織として「教える(訓練)」⇒「就職」ということに専念しています。
【障害者職業訓練校】は訓練生たちいっしょにスタートできる
【障害者職業訓練校】は就職するための訓練として訓練生がいっしょにスタートできるので、就職に対しての意識ができます。
『就労移行支援』『就労継続支援A型』『就労継続支援B型』(B型事業所は就職がむつかしい方も利用しています)も就職するための〈訓練〉なので、就職に対しての意識はできますが、下記のような不安がかんがえられます!
『就労継続支援A型事業所』は訓練に集中してもらえるか不安
『就労継続支援A型事業所』ですが、一般的には「継続して通うことができて、いつでも就職できる準備ができている人」が利用しているところです。
ですが、週に3回しか利用していない人がいる『就労継続支援A型事業所』があったりします。
訓練とはいえ雇用契約を結んでいる『就労継続支援A型事業所』に通っている訓練生が、よく休んだり週3日しか出勤しないような状況があるA型事業所に入所した場合、「就職」はこんな状況でも受け入れてもらえるのかもしれないと勘違いしてしまいます。
さらに『就労継続支援A型事業所』は雇用型ですので、訓練生に最低賃金が支払われます。だから、事業所としては収益をあげないといけません。
そういう状況で「訓練」に集中してもらえるのか。。。と不安になります。
『就労移行支援事業所』は入所時期のちがいが就職に不安
『就労移行支援』は2年しか通うことができないという期限があるので、就職に向けての現実味はあります。
就労移行支援事業所は訓練生が入所した日から2年間…という期限です。
なので、入所の時期がそれぞれちがうから訓練の始まりと終わりの時期もみんなちがいます。当たり前のことですがこのことはとても重大なことなのです。
★年に数回しかない「合同面接会」はだいたいの時期は決まっています。入所して訓練もさほどしていないのに「合同面接会」に参加しないといけないこともあります(経験としてはいいのだけど)。
★訓練の期間があまりなくても、就職のお話をいただいたら面接に行かないといけなくなることもあります。
職員さんが、入所時期のちがうひとりひとりの訓練生に対して就職の段階を踏む…ということはむつかしいことですし、訓練生自身も個々で意識するということはむつかしいことです!
その点【障害者職業訓練校】は、何十人かがいっしょに入校式をし、段階を踏みながら就職に向けていっしょに訓練をするという仕組みですので、就職に向けての訓練としての意識ができます。
【支援学校卒業前】の見学や実習だけで就職は意識できない!
支援学校でも卒業の前には、「就職」に向けての見学や実習などがありますが、それだけで「就職」を意識できていますか?
見学や数日の実習だけで就職が意識できるはずがありません!
支援学校の担任の先生や進路指導の先生は、どこまで子どもさんのことをご存じでしょうか?
子どもさんの苦手や得意なこと、日常生活においてどんなことができるのか…子どもさんのことを充分理解していただいた上で実習先を決めてもらってますか?
進路指導の先生から紹介していただいた実習先は子どもさんの状況に合っていますか?
【障害者職業訓練校】をオススメする理由
【障害者職業訓練校】をおススメする理由を大きく分けてまとめると…
- 専門職を1から教えてもらえること!
- 就職がどういうことかを長い期間で意識できること!
- 訓練生みんながいっしょに就職に向けて行動できること!
知的障害者にとって「就職」とはどんなものなのかを意識するために【障害者職業訓練校】というところで経験…「体験」してもらうことが意識しやすいです。
見た目で意識できるのは「服装」です。
訓練校によってちがいがあるかもしれませんが、息子が通った【障害者職業訓練校】はスーツで通わなくてはいけませんでした。
カバンも「ビジネスバック」で、靴も「ビジネスシューズ」です。
履歴書の書き方や面接の受け方、合同面接会にも参加します。(これは就労移行支援や就労継続支援でもやるはずです)
【障害者職業訓練校】も委託されているところによっても色々ですが、それでも組織として【校】という文字がついているだけのことはしているはずです。
訓練生の就職率が悪いと【職業訓練校】にとって「委託」ということがむつかしくなることがあるので、訓練生の就職は職員さんが必死になって探してくれます。
だから、通っている間は色々と無理難題相談してみることです。(通っている間…ということが大事です)
【障害者職業訓練校】を決める前に『職業評価』を受ける
『職業評価』というのをご存知でしょうか?
『職業評価』とは…子どもさんが今どんな仕事が得意なのか?どんな仕事が苦手なのか?
普段、過ごしている生活では知ることができない、子どもさんの一面を知ることができます。
親は、毎日子どもと接しているのだから知らない一面などない!
そんな風に思われているかもしれませんが、意外に知らないこともあります。
できる…と思っていたことができなかったり。
できない…と思っていたことができていたり。
『職業評価』は支援学校を卒業しないと受けられない!
『職業評価』は支援学校を卒業してからでないと受けられない…と「地域障害者職業センター」で教えていただきました。
なぜかというと、支援学校を卒業する前には「就職」に対しての活動をし、実習を受けたりするからだそうです。(ほかにも理由があるかもしれませんが)
ただ、絶対ではない…ということで、事情によっては支援学校卒業していなくても受けられることもあるそうです。
ちなみに支援学校以外の方は、卒業しなくても『卒業評価』は受けられる…と教えていただきました。
『職業評価』は「地域障害者職業センター」で受ける
『職業評価』は「地域障害者職業センター」で無料で受けることができます。
「地域障害者職業センター」はお住いの地域ごとに分かれているので、お住いのセンターをさがしてください。
「地域障害者職業センター」は、こちらからの相談は受けていただけますが、センターから「最近いかがですか?」などの電話はありませんので、ぜひ一度こちらからお問い合わせをして『職業評価』のことなど色々ご相談してみてください。
『職業評価』についてはこちらでくわしくご紹介しています!
子どもさんがやりたいことや興味がありそうなことをやっている【障害者職業訓練校】をさがしてみてください。
支援学校卒業後の進路は【障害者職業訓練校】を考えてほしいまとめ
支援学校卒業後の進路は【障害者職業訓練校】を考えてほしいことから下記のことをご紹介しました!
- 【障害者職業訓練校】と「就労移行支援・就労継続支援A/B型」のちがい
- 【障害者職業訓練校】をおススメする理由
- 【障害者職業訓練校】を決める前に「職業評価」を受ける
息子が支援学校を卒業して、約10年ほどが経ちました。
そのころからすると「就労継続支援A型」「就労継続支援B型」もできてきて、今は選択肢が増えてきました。
ですが、障害者に対する国のやり方にはまだまだ問題が山積みだと私は思います。
だからなのか、なくなった「就労継続支援A型事業所」もたくさんあります。
息子のように知的障害の場合、どこの事業所がいいとかではなく、どういう職員さんに出会うことができるか…だとわかりました。
こちらでは【障害者職業訓練校】をおススメしていますが、色々なところを経験することがとても大事なことです。
色々なところ…というのは仕事の内容もありますが、それ以上に色々な人との出会いが大事なことです。
就職…ができればうれしいことですが、知的障害者にとって就職はとてもむつかしいことだということは、色々な事業所での訓練で思い知らされました。
それは、知的障害者を理解しようとする方が少ないからです。
テレビでも取り上げられていた、知的障害者を雇用している大きな企業のやり方は、ちゃんと知的障害者を理解しようとしているからこそ成り立っていると私は思います。
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