移動支援を利用するために人材不足の【ガイドヘルパー】をさがす方法

障害者(児)が外出するときにいっしょに行動をしてくれる「ガイドヘルパー」さんについてご紹介します。「ガイドヘルパー」さんを利用するために「移動支援」をしている事業所のさがし方や、「ガイドヘルパー」さんを見つけるコツをご紹介します。
「移動支援」とは市町村がやっている【地域生活支援事業】のサービスで、「移動支援」に支給決定された時間分だけガイドヘルパーさんを利用できます。
ただ、障害者の希望する行き先によってはちがうサービスの支給決定の時間を使うので、そちらもご紹介します!
ガイドヘルパーさんは、『移動介護従事者』とも言います。
障害の種別や障害支援区分によっては【障害福祉サービス】の中にある「同行援護」と「行動援護」も障害者の移動の支援になりますが、この【障害福祉サービス】は国がやっているサービスで、こちらについては下記のほうでご紹介します。
こちらでご紹介する、「移動支援」を使ってガイドヘルパーさんを利用する場合は『受給者証』が必要です!『受給者証』についてはこちらでくわしくご紹介しています。
【ガイドヘルパー】さんのさがし方
実は、今、私も息子のガイドヘルパーさんをさがしています…。
以前に契約していた事業所が、いつの間にか事業所を閉じてました。。。
良くあることだそうです。。。
移動支援の説明はあとでしますが、まずはさがし方です。
地域の障害福祉課に「移動支援」の事業所が記載されている一覧があるので、もらってくださいね。
私は急いでいたので、お願いするとその一覧をFAXで送ってくれました。お住いの地域によっては色々なので、まずは電話で問い合わせてみてください。
以前の記事【地域生活支援事業】と【障害福祉サービス】のところで、ガイドヘルパーさんのことも簡単にご紹介していますので、そちらも参考に!
【移動支援】の事業所の一覧をみて驚きました。うちの地域の両隣や近くの事業所も記載されているからですが、100件ほどの事業所が記載されていました。
まずは、うちの地域にある事業所から1件ずつ電話をしたら、「おかけになった電話番号は現在使われておりません…」というテープが流れたところや、電話に出ない事業所もありました。
ふと、一覧の上を見ると、平成28年と書かれてて…そう言えば、担当者がちょっと古いですけど…って言ってたことを思い出したので、1件ずつホームページで検索して、その事業所が存在してそうなら電話をかけました。
ホームページを見てみると『重度訪問介護』をやっている事業所が多くありました。どうして?と思ったら、【移動支援】は『重度訪問介護』と同じ要件なので、『重度訪問介護』をやっているところは【移動支援】もできるということなんです。
ただ、【移動支援】のサービスもする場合は、他に満たさないといけない基準があるので、『重度訪問介護』のサービスだけしかしていない事業所が多かったということです。これは、逆の場合(移動支援しかしていない)もあるかもしれませんが…。
なので、【移動支援】の一覧表は、ガイドヘルパーさんをお願いできる事業所ばかりが記載されているわけじゃなかったのです。
やっと、2ヵ所の事業所が対応してくれて、ガイドヘルパーさんの手配をしていただけることになりましたが、「ご期待に沿えないかもしれませんが…」と言われ、今 電話待ちの状態です。。。
【ガイドヘルパー】の事業所は2ヵ所で契約すること
「ガイドヘルパー」さんがいる事業所は2ヵ所の事業所での契約をおススメします。
どうして2ヵ所かというと…ひとつの事業所だけの契約だと、ガイドヘルパーさんの都合が付かなかった場合に困ります。
だから、少なくともせめて2ヵ所の事業所と「支給決定された時間」を分けて契約しておきます。すると、ひとつの事業所のガイドヘルパーさんの都合がつかないときに、もうひとつの事業所にお願いできる可能性があるからです。
息子がガイドヘルパーさんを利用する日時はだいたい決めています。その時間帯に動いてくれるガイドヘルパーさんがいる事業所が、2ヵ所のうちのどちらかにいればいいので。
ガイドヘルパーさんをお願いしたいときは、何曜日の何時から何時までをお願いしたい…とメモに書いておいてから電話をしたほうがいいです。
電話をしたとき、いつも聞かれました「何曜日の何時が必要ですか?」って。
なので、こちらがお願いしたい日時と、他にお願いしたい可能性のある日時を一応お伝えしておくと、もしかしたらその時間なら空いてるガイドヘルパーさんがいるかも…と言ってもらえるかもしれません。
オカンのPoint…ガイドヘルパーさんをさがすコツ
ほんとうにコツになるかどうかはわかりませんが…もし、地域でガイドヘルパーさんが少ない時には役に立つと思います。
例えば…ガイドヘルパーさんが、今ガイドしている人の利用が午前中しかなかった場合、その日は午後からの時間に合わせてこちらがお願いすれば、ガイドヘルパーさんが時間に無駄がないようにガイド(仕事)ができます。
もうひとつは…こちらがお願いしたいガイドの時間が短時間の場合だと、ガイドヘルパーさんにとって、ほかの長時間のガイドのほうを受けようと思われるかもしれません。(私の勝手な思いですが…)
なので、ガイドヘルパーさんが1日にガイドする時間に、無駄を作らないように考えるのもいいかと思います。
少ないガイドヘルパーさんが辞められることのないように、利用させてもらう側も考えたいと私は思っています。
外出したい時間帯に利用できるガイドヘルパーさんがいる事業所が見つかったら契約をしましょう!
【移動支援】を利用できる事業所に確認と契約方法
契約する前に確認しておくことですが、障害者(児)と同姓のガイドヘルパーさんがいるかどうかです。
トイレの介助のこともあるので、同姓のガイドヘルパーさんがいいと思います。
女性のガイドヘルパーさんしかいない事業所があったので、確認が必要です。
ガイドをしてほしい障害者(児)がいる時間に自宅にきてもらって契約をします。
事業所の管理者と、ガイドヘルパーさんもいっしょに来られると思いますが、事業所の管理者の方もガイドヘルパーもされるときは、ひとりでこられるかもしれません。
事業所によってちがいがあるので、気になる場合は来られる時間の予約をされるときに確認してください。
自宅を知ってもらうためもありますが、前もって、障害者(児)とガイドヘルパーさんと顔合わせをしておくためです。いきなり外出のときに初めて顔合わせ…というのは避けたほうがいいので。
【障害福祉サービス】も【地域生活支援事業】のサービスも事業所との「契約方法」は同じです。
「重要事項説明書」と「利用契約書」を2部ずつ持ってこられて、すべてに住所と名前を書いて、事業所の方がいったんすべてを持ち帰って事業所の印鑑を押してから、後日それぞれ1部ずつ渡してもらう。という流れです。
「重要事項説明書」と「利用契約書」をそれぞれ責任者が読み上げながら説明してくれます。その内容に問題がなければ、住所と名前を書きます。
事業所によっては、「重要事項説明書」と「利用契約書」に事業所の印鑑を押した状態で持ってこられた場合は、こちらの住所と名前を書いたらすぐに書類を渡していただけます。
【ガイドヘルパー】さんの現状は人材不足
ガイドヘルパーさん…今は人材不足のようです。
息子の年齢とともにガイドヘルパーさんとの相性に問題がでてきて、少しの間、ガイドヘルパーさんを利用していませんでした。
ですが、すでにそのころからガイドヘルパーさんが少なくなってきているから…と契約していた事業所にお断りされた日があったくらいでした。
今回、移動支援が利用できる事業所の一覧表で1件ずつ電話をしていると、以前とは比べ物にならないくらい、「人材不足」だという事業所ばかりで…。
★ 電話をしていると、こんなことがありました…
- 土日に動いてくれるガイドヘルパーさんがいない。
- 女性のガイドヘルパーさんしかいない。
- ガイドヘルパーさんが色々な事業所と契約している。
- 支店と支店が統合した事業所。
- 閉鎖した事業所・ホームページがない事業所。
- 隣の市なのに対応していない事業所。
- 知的障害者は対象外。
- 自転車移動しかしていない事業所。
土日に働けないガイドヘルパーさんは、子どもさんがまだ小さくて土日は無理だと言われました。
以前は、若いお母さんのガイドヘルパーさんはあまりいなかったと思いますが、今はいらっしゃるようですね。
ちょっとおじさんのガイドヘルパーさんはいつでも動けるので、何ヶ所かの事業所と契約している人もいるそうです。
自転車移動しかしていない事業所があることはびっくりしました。。。
オカンのPoint…どんなガイドヘルパーさんがいい?
ガイドヘルパーさんが少ないと相性が…ということも言いずらいですが、やっぱり相性は大事です!
どんなガイドヘルパーさんがいいのか…息子のことでお伝えすると、社会性に対して注意してくれる人にお願いしたいと思っています。
交通機関を利用するときに、ここで切符を買って…ここで電車に乗って…など、話しかけながらガイドヘルパーをしてほしいと思ってお願いしていました。ダメなことはダメと言ってくれる人であってほしいです。
ガイドヘルパーさんとお出かけしたあとには必ず、子どもさんに聞いてみてくださいね。どうだった?楽しかった?とか…。ちゃんと答えることができなくても聞いてあげてください。
これは、とても大事なことです。ガイドの最中にコミュニケーションがもし取れなかった場合、次回のガイドの役に立てるために必要ですから。
【ガイドヘルパー】さんの役割
ガイドヘルパーさんの役割は、ひとりでの外出がむつかしい障害のある人の移動を支援しますが、どこに行くときも「移動支援」の支給決定の時間を使うわけではありません。
障害者(児)の行き先によっては利用するサービスがちがう
障害者(児)の行く先によっては【障害福祉サービス】の「通院等介助」の時間を利用することになります。
例えば、市役所に手続きに行くときや、就労継続支援A型の事業所などの見学に行くときは、「通院等介助」の支給決定された時間から利用します。
どちらの時間を利用するにしてもガイドヘルパーさんは同じで大丈夫です。
【地域生活支援事業】は市がやっているサービスなので、地域によって色々ちがいがあります。なので【移動支援】についても(ガイドヘルパーさんの役割が)私のお話と多少のちがいがあるかもしれない…ことを知っておいてください。
「移動支援」を使ってガイドヘルパーさんのできること
移動支援の支給決定された時間を使ってガイドヘルパーさんができることは…
例えば、科学館やイベントなどに行きたいときの移動を支援してくれるので、大きく分けると「余暇」の移動を支援してくれるということです。
さらに「銀行」に行く時も「移動支援」の支給決定された時間を利用して、ガイドヘルパーさんが移動を支援してくれます。
ただ、お金をガイドヘルパーさんが預かったりはできません。ただ、いっしょに移動を支援してくれます。
オカンのPoint…映画を観るときの支援
今回、ガイドヘルパーさんをさがしていることで、色々と問い合わせてみて、こんなことがわかりました…。
例えば、映画をガイドヘルパーさんといっしょに観に行った場合、市のサービスによって、ガイドヘルパーさんは映画館までは連れて行ってくれることはできても、映画を一緒に観ることができない可能性があるそうです。
なぜかというと、移動を支援するためのガイドヘルパーさんなので、映画は観ているだけでじっとしているからだそうです…おどろきです。。。
映画を観ているときに、何かハプニングがあった時、息子はとっさの判断ができないから、ガイドヘルパーさんが一緒でないと困ります。
うちの市の場合は、映画を観る時もガイドヘルパーさんが一緒でも大丈夫なんですが、もしかしたら…それがだめな市もあるかもしれないので、確認しましょう!
「同行援護」と「行動援護」は移動の支援だけど【障害福祉サービス】
先ほどまでご紹介してきたのは、市がやっている【地域生活支援事業】の中の「移動支援」のお話でした。
ややこしいお話ですが、国がやっている【障害福祉サービス】の中にも移動を支援してくれるサービスがあります。これは障害の種別や障害支援区分によって分けられます。
それが、「同行援護」と「行動援護」。
このふたつに関しては支給決定という、制限された時間などはありません。
「同行援護」は視覚障害の方を対象にした移動の支援です。
「行動援護」は重度の知的障害者の方と精神障害者の方を対象にした移動の支援です。
「重度」…というのは、障害支援区分が「3」以上の方のことですが、わかりずらいかと思いますので、下記にある厚生労働省の図を参考にしてください。
ちなみに息子は障害支援区分が「4」だから「重度」ということになり、このことからすると「行動援護」に認定されるはずですが、認定されていません。
これは、どういうことかというと…
【障害福祉サービス】や【地域生活支援事業】の申し込みをしたら、障害支援区分…サービスの支給決定…などを決めたりされます。
その中に、市が判定する「認定調査項目」の行動に関する項目があって、その点数が10点以上だと、【障害福祉サービス】の『行動援護』という認定を受けて移動の支援をしていただくことになります。
だけど息子は「行動援護」ではなく、市のサービスの【地域生活支援事業】の「移動支援」を利用しています。
ちなみに【地域生活支援事業】の「移動支援」は本来は障害支援区分が「軽度」の方が利用する「移動支援」です。
このことが不思議だったので、問い合わせてみると息子の場合…先ほどの「認定調査項目」の点数が10点以下だったからじゃないでしょうか…と言われました。
障害福祉課で確認するとやはり10点以下でした。
少し矛盾を感じますが、矛盾ではなく「例外」なのかもしれません。
厚生労働省の上記の図やホームページを見てもなかなか理解しずらいので、わからないことがあれば、地域の障害福祉課に問い合わせてみてください。
【ガイドヘルパー】の資格
そもそもガイドヘルパーのお仕事の内容は、高齢者や障害者の行動や移動などを支援することです。
そして、ガイドヘルパーさんの別の言い方が「移動介護従事者」というのは最初にお伝えしましたね。
この「移動介護従事者」には障害の種別によって3つの資格に分かれています。
- 視覚障がい者が対象…同行援護従業者
- 知的・精神障がい者が対象…行動援護従業者
- 全身性障がい者が対象…全身性障がい者ガイドヘルパー
それぞれの資格によって、移動の支援ができる対象者がちがってくるということです。
ガイドヘルパーさんが少ない…という現状は、地域によってちがいがあるかもしれませんが、ガイドヘルパーさんは多くないようです。
高齢者の割合が年々増えてきていることを考えると、ガイドヘルパーさんがひとりでも増えることを願います。
【ガイドヘルパー】さんのさがし方についてのまとめ
ガイドヘルパーさんのさがし方について下記のことをご紹介しました。
- ガイドヘルパーさんのさがし方。
- ガイドヘルパーさんがいる事業所は2ヵ所と契約すること。
- ガイドヘルパーさんが人材不足ということ。
- ガイドヘルパーさんのできること。
- 障害福祉サービスの同行援護と行動援護のこと。
- 移動支援のこと。
- ガイドヘルパーの資格について。
何度もお伝えしていますが、市町村によってちがいがあるので、わからないことは地域の障害福祉課に問い合わせてみてください。それでもわからないときは都道府県に問い合わせると教えていだだけます。私も都道府県に問い合わせました。
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