【舌小帯短縮症】の手術!言葉の訓練はいつ始める?

「舌小帯短縮症」の手術をした息子ですが、それでも話している言葉は聞き取りにくいです。「構音障害」と言われていますが、問題は「舌小帯短縮症」だけではありませんでした。子どもさんの話している言葉が聞き取りにくい。。。と感じているお母さんに、ぜひご紹介したい内容になっていますので、参考にしてください!
「舌小帯短縮症」と「構音障害」以外に「先天性欠如歯」でもある息子ですが、ほかにも…「斜視」「知的障害」「てんかん」これらのことが8トリソミーという染色体異常の症状かもしれないと知ったのは、息子が18歳のときです。
「舌小帯短縮症の手術」はしたほうがいいのか…手術後はすぐに「言葉の訓練」に通ったほうがいいのか…息子の経験をご紹介します。
【異常なし】と誕生した息子は3500g
とても難産で、時間がかかりました。やっと生まれたと思ったら鳴き声が小さくて不安でしたが、体重は3500gもあって、異常なしと言われていました。
でも、その「異常なし」…はすぐに疑うようになりました。
首は座らない、寝返りはしない、お座りはできない。。。
それぞれ、できる時期に全くできなかったので、単純に成長が遅い…とは思えませんでした。
7ヶ月のころに、熱が下がらず入院をしたときに、発達が遅れていると指摘されていて、さらに定期健診でも指摘されていました。
定期健診は「市」がやっているもので、1歳になったら専門の病院に行くようにと言われ、その時代にできる、すべての検査を1歳になったときにしてもらいました。
【発達遅滞】と診断されたのは1歳のとき
1歳の時の検査結果は「発達遅滞」と診断され、歩行訓練にも通院するようになって歩けたのが3歳ごろでした。
その3歳ごろには、療育手帳も取得して判定は軽度でした。
3歳でしかも男の子…ということで、世間的に男の子の成長は遅い…と言われている時代だったので、判定が軽度。。。になったんじゃないかと思います。
療育手帳の申請をするときに、成長が遅いだけかもしれないですが…というようなことを言われたのを覚えています。
そして、療育手帳を取得した3歳のころに「知的障害」と言われるようになって…
生まれたときに異常なしと言われたけれど、次から次へとでてきました。。。
【熱性けいれん】は数年後に【てんかん】へ
とにかく息子はよく風邪をひいていました。風邪をひくと必ず高熱です。
扁桃腺ではなかったですが、いつものどが腫れていました…のどの腫れは高熱になると聞いています。
オカンのPoint…「うがい」と『か行』はいっしょ!
言葉の発声で、『か行』は「うがい」に関係しています。
水を口に含んでうがいをするときは、水を飲んでしまわないようにのどを少し締め付けるように(表現が正しいかどうか…)します。
その動作は、『か行』の発声にもやってることです。
自然に話せる方にとっては何の意識もしていないと思いますが、一度意識してやってみてください。
だから、言葉の訓練では「うがい」も練習のひとつになっていましたが、息子は「うがいが苦手」でした。
今、「うがい」はできるようになっていますが、へたくそです。だから、子どものころはもっとへたくそでした。
さらに、いつも口を開けていて閉じることができなかった(鼻呼吸ができない)ので、のどに負担は大きかったと思います。
だから、のどの風邪をよくひいていたのかもしれません。
風邪をひくたびに、熱性けいれんを起こすようになったのが1歳半のころでした。それから、小学校高学年には風邪もひかないのにけいれん発作をおこすようになり「てんかん」と診断されました。
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【舌小帯短縮症】【上唇小帯】を手術をした理由
【舌小帯短縮症】とは…舌の裏側の中央に薄くヒダのようになっているものを「舌小帯」といいますが、そのヒダが舌の先のほうにまでついていることを【舌小帯短縮症】といいます。
【舌小帯短縮症】だと「あっかんべー」ができないのです…舌の裏側にあるヒダのせいで、唇より前に舌がでない。自由に舌を動かすことがむつかしいので、話すことがむつかしくなります。
50音を発声するには、舌の動きはとても大事なことです。
ただ息子の場合、言葉を話すことがあまりできなかったので、【舌小帯短縮症】だと気がつくのが遅かったのかもしれません。
話す…というより、単語を発声する…ということが精一杯だったので、単語だけだと「舌の動きが悪い」ことに気がつけなかったのだと思います。
オカンのPoint…話せないのは耳に異常?
話せないのは、耳に異常があるのかもしれない…と言われて、耳の検査もしましたが、異常はありませんでした。
あるとき病院で【舌小帯短縮症】がわかりましたが、お医者さんのなかで意見が分かれていました。
「手術をしたほうがいいのかどうか」・・・
- 手術をしても、話せるようになるとは限らない…という先生。
- 【舌小帯短縮症】のせいで話せないわけじゃ無い…という先生。
- 熱性けいれんがあるのに全身麻酔で【舌小帯短縮症】の手術をするのは危険だ…という先生。
私は手術を望んでいたので、熱性けいれんがあっても手術をしてくれる病院をさがして、手術をしてもらいました。
小学校に入るころだったと思います。
手術のあとが大変でした。。。水分を取ることができないので、泣きわめいてました。。。
実は手術は舌の「舌小帯」だけではありませんでした。
「上唇小帯」といって、上の歯の歯茎の真ん中あたりに舌を動かしてみると、上唇と歯茎の間にひだのようなものがありますが、わかりますか?
これは、舌の裏側にある「舌小帯」のひだとおなじような感じです。
息子の場合、そのひだ「上唇小帯」が前歯の歯と歯の間にまで続いていました。
なので、前歯の中心の2本の間には何ミリか隙間があります。いまだに…。
歯ブラシをするときは歯ブラシを持ち換えないと、「上唇小帯」がじゃまになります。
手術は、「舌小帯」と「上唇小帯」の両方のひだを切る手術をしました。
息子には、とてもつらくて痛い思いをさせてしまいましたが、手術をしてよかったと思います。
【舌小帯短縮症】の手術後、言葉の訓練のはずが…
本来なら、舌の動きが良くなったら「言葉の訓練」に通ったほうがいいはずですが、先生は「今は止めておきましょう…」と言われました。
手術を受けたところの病院の「言葉の訓練」はちょっときびしいものでした。
舌の動きが良くなっても、そもそも「声をだす」ということに意欲的ではなかった息子です。それを先生はわかっていらっしゃったみたいです。
きびしい訓練によって、声をだすことがさらに意欲的でなくなったら、声をだすことが負担になって、さらに声を出さないかもしれないからです。
手術をする前に、ある先生が言われた言葉を思い出します。
『「舌小帯」の手術をしても話せるようになるとは限らない』
だから、その時は「言葉の訓練」には通わず、それから数年後に別の病院で「言葉の訓練」に通いました。
【言語療法】は遊びながら学ぶ
実は小学校に上がる前に「言語療法」と言われるところに数回通ったことがありました。遊びながら学ぶ…そんなところでした。
「言語療法」は、カードなどで遊びながら声を出すリハビリのような感じでした。ほかにはローソクの火を消す練習、口の周りにお菓子を付けて舌で取る練習などです。
障害のある子どもさんや、発達が遅い子どもさん、言葉が遅い子どもさんが通っていました。
息子が通っていたのは病院の中にあるところでしたが、今は色々あると思います。
【言葉の訓練】は1語ずつ舌の動きを学ぶ
もう10年以上も前のことなので、今は変わっているかもしれませんが…
息子が通っていた「言葉の訓練」では、最初の数分は普段どんなことをしているのか…と息子と雑談してくれます。まずは、気持ちをほぐしてから…。
唇の周りに小さなお菓子をくっつけて、舌を動かせてそのお菓子を取ることで、舌のウォーミングアップもしてました。楽しく「言葉の訓練」を進めていただけました。
50音を1語ずつ、発声の仕方を(舌の動き)「絵」に書いて教えてくれます。
そして、その1語が入っている単語を発声します。
1語の時は上手に言葉がでても、単語になるとむつかしい。
例えば…「す」はとてもむつかしい。
でも、何度も練習すると「す」は上手に発声できる。
上手に発声できたら「すずめ」の発声してみる。
そうなると上手く言えない。。。
【舌小帯短縮症】の手術をして舌が自由に動くようになっても、上手に動かせなかった時のくせがあります。
その舌の動きのくせを直しながら「発声ができるように」教えていただきました。
50音、すべての舌の動きを横で聞いていると、そんな風にして私たちはしゃべっているんだ…とおどろくことが多かったです。私は当たり前のように話しているけれど、息子にはこの1語1語が大変だったのです。
「言葉の訓練」は大学病院だったので、訓練に通う前に口を診てもらったときに、もうひとつの問題が発見されました。。。
【構音障害】は上あごに問題
上あご(熱い飲み物を飲んだ時にやけどするところ)に小さめのサクランボがちょうど入るくらいになっていました。上あごの奥が深い状態です。
本来なら、なだらかなカーブになっている上あごで、言葉を発声するときに舌を沿わせるところです。
例えば「た行」は、舌を上あごに沿わせて発声しています。
息子の場合は、上あごがなだらかではないので、舌を沿わせることができず、空気が漏れてしまいます。。。
だから、息子にとって舌を動かすことに負担は大きかったはずですが、数年通って50音すべての発声の仕方は学びました。
かと言って、すべてがちゃんと発声はできているかというと、やっぱりそれはむつかしく、いまだに何度も聞き返します。
こんな状態を『構音障害』といって「音」をつくることが上手にできない障害と言われています。
知的障害もあるので、「会話」としても上手にできていませんが、それよりも息子は自分の言った言葉が相手に伝わりにくいので、私がいっしょにいるときは通訳をしています。
実は口の中は【舌小帯短縮症】【上唇小帯】【上あごのこと】ともうひとつ【先天性欠如歯】です。
次は【先天性欠如歯】のことをご紹介します。
【先天性欠如歯】は10人に1人くらいいる!?
【先天性欠如歯】は歯の生えかわりがなく、乳歯のままのことです。
障害があるから、歯が生えかわらない…とばかり思っていましたが、健常者の中にも意外に10人に1人くらいの割合でいるそうです。
息子の場合は、乳歯そのものが少なかったのです。
本来、乳歯は20本。
でも、息子は最初から16本くらいだったと思いますが、そこから永久歯に生え変わったのが8本ほどだったと思います。
2~3ヶ月に1度は必ず定期健診に行って、小さな虫歯も作らないように注意していますが、乳歯が何歳までがんばってくれるか…。
歯医者さんのお話では、今のところグラグラしている歯は無いということです。
【染色体異常】の場合、口の中の異常が多い!?
染色体異常の場合は口の中に異常が多い…と聞いたことがあります。
でも、「先天性欠如歯」は健常児でもいることはわかりましたが…。
「舌小帯短縮症」や「上唇小帯」、「上あごの異常」がわかったのは、「染色体異常」と診断されるずいぶん前のことです。なので口の中の異常は「染色体異常」の症状だと知ったときは納得しました…。
【言葉の発声に不安】なときにチェックすること
子どもが小さい頃は、歯ブラシをいっしょにお母さんがすると思うので見落としはないとは思いますが、念のためにチェックをしてください。
- 口のなかの上あごの状態
- 舌の裏側の舌小帯
- 上の歯茎と上唇の上唇小帯
- 歯の本数
歯に問題がなければ歯医者さんに行くことがないので、気がつかないことがあるかもしれませんので、気になる方はチェックしてあげましょう。
【舌小帯短縮症の手術】についてのまとめ
「舌小帯短縮症の手術」について下記のようにご紹介しました。
- 生まれたときは異常なしと言われたこと。
- 発達遅滞と診断されたのは1歳のときのこと。
- 熱性けいれんからてんかんへ変わったこと。
- 舌小帯の手術をした理由。
- 手術のあとすぐには言葉の訓練はしなかったこと。
- 先天性欠如歯だったこと。
- 染色体異常は口の中の異常が多いかもしれないこと。
- 子どもさんの話し方が気になるときにチェックすること。
子どもさんが大人になったときに、話し方でつらい思いをさせないように、治せることであれば早めに気づいてあげたい!
そう思いながらも、わからないことがたくさんあります。息子の上あごのことは、なかなか気づきにくいことだったので、このブログで「こんなこともあるんだ…」ということを知っていただけると幸いです。
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